私たちの共生社会モデル

   法人創設から1年半、多くの人々に支えられながら、どうにか私たちが思い描く理想の一部が叶ったようにも思える今日この頃です。ブログを始めるにあたり、少々堅い話ではありますが、私たちが掲げる「共生社会モデル」について書いてみたいと思います。

 

 モデルを考える際に参考にしたのは、厚生経済学者アマルティア・センの「福祉の潜在能力アプローチ」と呼ばれるものです。彼は福祉を単なる支援ではなく、「伸びる資質(潜在能力)の全面発達を促すことによる平等の保障」として捉え、「人間の人格と能力に働きかける福祉サービスの重要性」を強調しました。

 

  視覚優位がどんどん加速化する現代社会にあって、視覚に障害のある方々の持つ潜在能力は益々見えづらく、分かりづらくなっておりますが、彼らが自らの能力を見いだし生かす中で、文字通り共に助け合う共生社会のモデルができるのではないか、そして私たち全ての者が、より良く生きる上でのヒントを、共に築く社会の中でいただけるのではないか、と思うのです。

 

 古い社会形態が崩壊期に差し掛かる今日、助け合って生きようという「共生」の感覚は、単なる「道徳律」ではなく、私たちが困難な時代を生き抜くための、ある種の「処世術(生きる力)」と言えるのかもしれません。小さな取り組みではあっても、ぶれない軸(理念)を持ちながら、これからも進んで参りたいと思います。