懐かしい未来「松竹梅」

 松竹梅。江戸期より門松・祝い事・民芸品などに盛んに用いられ、今日でもお馴染みの組み合わせですね。元来、寿司のランク付けのような意味はなく、歳寒三友と称されるように、寒さに耐える清廉な姿が庶民の心を捉えてきたのでしょう。しかし、この3つの植物には別の共通点があります。強力な解毒・殺菌・浄化作用です。

 

薬膳の世界における梅干は極陽で、強力な殺菌力や抗がん作用があるとされ、血流改善や免疫細胞活性効果があることが立証されているそうです。また、豊富に含まれるカリウムが老廃物の排泄を促し、むくみの解消にも効果的です。食毒・血毒・水毒に効果を発揮する梅。古くから言われた「梅は三毒を絶つ」は、本当だったようですね。

 竹の魅力は、神秘的とも言える生命力。時に1日1メートルも伸びる理由は、その先端だけではなく、節と節の間でも新しい細胞が活発に作られるからなのだそうです。しかも竹の細胞には無数の孔があり、わずか1グラムでテニスコート1面分の表面積になります。強力な消臭・調湿効果があるのはそのためなんですね。竹炭を食べる古くからの民間療法があったのは、その孔が腸内の老廃物をたくさん吸着し、身体の外に出すデトックス効果を知っていたからなのでしょうか。

 最後は松。古く中国では、仙人の常食・不老長寿の妙薬とされてきたのだそうです。日本では江戸時代に李時珍の「本草綱目」が幕府に献上され、以来松葉茶・松葉酒が、庶民の間でも愛飲されるようになりました。現在では松葉茶の強力な抗酸化作用が注目されていますが、さらに興味深いのは、松葉に含まれるスラミンという物質が、コロナウイルスRNA複製サイクルを阻害する、つまりスパイクタンパク伝達の解毒剤になる、という研究報告がなされていることです。人類が直面する大難も、仙人ドリンクパワーで小難に変えられるかもしれませんね。