1 就労支援と社会貢献
現在に至るまで視覚障害者にとっての主要な就労として、あん摩マッサージ指圧師(通称あマ指師)、鍼師、灸師があります。そのために全国各都道府県の盲学校には、それらを養成するための専攻科が設置されており、戦後の就労・雇用行政の中でも、視覚障害者の職域として尊重されてきたとも言えるでしょう。しかしながら今日、健常者を対象とした鍼灸師養成のための専門学校が数多く開設され、また資格なしに営業する安価なリラクゼーション業界の店舗が街に溢れております。さらには「あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師等に関する法律」の憲法19条と職業選択の自由を巡る裁判の中で、鍼灸師のみならずあマ指師の職域も視覚障害者から奪われかねない危機的な状況が生まれております。